オーロラを見たい日本人性

アラスカ旅行が会社にばれる。まあいいじゃないか。春休みなんだし。

というわけでアラスカ・フェアバンクスへオーロラ観測ツアーである。

タクシー運転手サルタンによれば、フェアバンクス観光産業のハイシーズンは夏。でも大半が欧米客。シーズンオフである冬期の観光客は85%が日本人なんだそうである。全員の目的がオーロラ観測であろう。ツアーガイド前田夫妻はアンカレッジ在住だが、冬期は仕事のためフェアバンクスに住む。我々はチェナ温泉に泊まりたかったがいっぱいで、フェアバンクス空港近くのホテルに泊まった。初日のオーロラツアー、バスが満席。スキー場のロッジも日本人ばかり。これほど日本人が集まっているのを見たのは久しぶりだ。そりゃロスにもたくさんいるのだが。夏はラフティングに釣り、マッキンリー山を含むデナリ国立公園とアラスカの大自然を満喫できるがオーロラ観測に向かない。夜も完全に暗くならないからである。そんなわけでオーロラを見たいのは日本人性と言えそうだ。二日目にチェナ温泉を訪れるとここも日本人がいるわいるわ。プラス温泉。これは日本人の心を捕らえて離さないだろう。チェナ温泉には15分くらい歩いたところに360度パノラマのオーロラ見物施設もある。露天風呂からの観測は湯気が邪魔との感想もあるが、そちらなら最高だろう。そこまで行かなくとも、部屋の外で暗いところを探せば、そこから十分よく見える。
ちなみにオーロラがよく観測される23:00〜3:00。「北極圏」の定義は年間一日以上の太陽が昇らない日と沈まない日がある66度33分以上。オーロラ観測には月が暗い新月近くが最適と思うのは素人考えだった。月の青さがオーロラの色を際立たせ美しく見える場合もある。むしろ重要なのは天気と太陽活動である。そんなもの旅行の計画段階ではどうしようもないとあきらめがちだが、太陽の自転にあわせ27日周期で活動が激化する、というのは結構あたるそうである。詳しくはアラスカ大学のオーロラ予報を。
http://www.gi.alaska.edu/cgi-bin/predict.cgi
オーロラの研究が生業とは素敵だ。商売しなくても生きていていいのだ。もちろんだ。
それにしてもフェアバンクスは遠かった。乗り継ぎを含めると12時間以上かかる。フェアバンクスからはロスより東京の方が近い。しかし航空券はどうだろう。
フェアバンクスはThe Auroral Zoneにあるアラスカ3つの都市のうちの一つ。アンカレッジに次ぎアラスカで2番目に大きい都市。州都ジュノーは大丈夫なのかと心配になるほど、この街も小さい。サルタンは「小さな街が好き。故郷に似ている。」と。前田夫妻は「アラスカ大好き。いきなり1mの鮭が釣れて味をしめた。」ツアー添乗員バイトの公子さんは特に理由は語らなかったが、フェアバンクス在住はかなり長い。最後に空港に送ってくれた女性は「人がいい」・・・。よかったですね、気に入る場所が地球上に見つかって。
サルタンは満州で18年前日本語を覚えたそうだ。先月も、来月も、国に帰る。結構儲かっているのか。しかし中央アジアへの旅行ってなかなかないだろう。日本からだって。アメリカからキューバへの旅行がすっぽり抜けているように。要は広告ってことか。キューバは広告するわけにいかない空気なのだろう。メキシコから渡る。アメリカも国の事情が出てきたのね。大人になってきた証拠よ。よかったね。