東電福島第一原発事故調中間報告

東電福島第一原発事故調中間報告がありました。
畑村さん、柳田さんはテレビ出演も。

その報告から僕が読み解きたいのは、「原子力発電所という複雑なシステムが、現実的なコストで日本人にとって制御可能なのかどうか」ということ。

まず、「たくさんの人が被曝して、十万人以上が避難させられ、半永久的に帰れない地域もあるが、一人も死ななかったから、OK。」という視点があり得るが、仮にこれに対してはNoとする。

どんなに可能性が低くてもゼロではないならそれは起こる。想定範囲外のことが起きても何とかしなければならない。というが、これは原子力発電で通用するか。ものすごく可能性の低いこと(例えば隕石の直撃とか、飛行機の墜落と台風の直撃が同時に起こるとか。)が起きても、過酷事故にならないようにすることは可能か。

畑村さんの「事故が起きた今、それが重要であることは分かる。問題は、事故が起きる前に、それを考えることができたか。」

「与えられた責任というものを考えず、マニュアルに載っていることだけをこなすだけが仕事だと思い込んでいる。」これは現在の日本人の状況そのものだ。

津波で全電源が喪失しても、ICやRCIC,HPCIが動作し続ければ、メルトダウンは避けられたのだろうか。

柳田さんはNHKの番組で、「新しい10m超の津波予測に対して、数百億円の防潮堤を作るのではなく、配電盤だけでも津波から避けられるところに設置するなど、現実的なコストで『想定外』に対応することもできる。」と語った。

無邪気な脱原発

脱原発のデモに、福島第一原発の水素爆発した原子炉建屋のコスプレ登場。先週末の100万人デモもコスプレの方多く、無邪気だな、と。
建てまくってしまった原発は解体の方が大変だと聞く。脱原発のためにこれから必要となる原子力技術は今まで以上かもしれないのだ。そんな死にゆく技術のために研究し働いてくれる技術者を志す若者なんていてくれるんだろうか?
それは少なくともコスプレしている人たちじゃない気がする。

変な夢の話2

原発で働いている夢を見ました。
侵されていく友人は、特に危ない仕事を請け負いながら、放射能除去の効き目があるという不思議な花のさく野道を往復している。
炉の周りに全員がいて、誰かが頑張っているのを周りで見ている。かなり人数が多く、遠巻きで中まではよく分からない。線量を表すフィルムが55mSvまでになり、では総員退去となるが、途中で皆倒れていく。
というところで目が覚めた。

もっと3Dを評価しよう

本日、3Dコンソーシアムの勉強会に潜り込んだ。会員ではないけれど、講演者付き添いと言うことで…。

大口氏の話はいつものように面白かった。3D映画が飛び出し、脅かしでオーディエンスを満足させられるのは1年半が限界。その後、質がよくならなきゃブームは終わる。もともと3Dは高いし、メガネは邪魔。そのデメリットを補って余りあるほどの質が必要なのである。B級でも3Dなら客が来ると思ったら大間違い。その上で、3Dには形状が分かる以外に、(1)サイズがリアルに感じられる。(2)質感が高い。(3)複雑なシーンでも理解しやすい。というメリットもある。今後の質向上には飛び出し、奥行き以外のこうしたメリットを活かさなければいけない。

私はたまたま2年ほど前から3Dの仕事をしている。こういうふうに急に3Dを仕事にしている人は多いのではないだろうか。そんな僕らはいい3Dを作るために、何がいいのか、何をやっちゃいけないのか、いろいろ勉強してるけど、結局は俄か勉強の仲間ウチの評価で方針を決めざるを得ない。

山脇さんの講演にあった、テレビは人権侵害など気にしすぎ、いつの間にか建前の話しかしなくなっていて、本音が感じられるのはソーシャル・メディアの方になっている、と言う話。3Dにもいえることかも。安全、安心だけの話がどんどん進んでいて、ガイドラインから独自ルールがどんどんエスカレートし、視差を抑え、視聴可能年齢が上がっていき、激しいカメラワーク、短いカット編集を遠慮した結果、放送されているのは街歩きや舞妓さんやそーっとワークする音楽番組ばかりだ。安全なだけの3Dに価値があるわけない。

安全側だけではなく、どういう3Dが面白いのかもっと語るべきだ。

太田さんのQXDでは評価サービスも行っている。QXDは3Dが体験として素晴らしいかどうかを評価したいと言っている。河合教授は、まだ我々は3Dを評する十分な語彙を持たない、と言う。

今日の勉強会はソーシャル・メディアについて。3Dコンソーシアムがソーシャル・メディアも使って一般に3Dの普及をというのがきっかけだったらしいが、3D映像を共有できるサービスはYouTubeの3D対応で、3Dコンソーシアムとしての独自対応は必然ではなくなる。

しかし僕は、3Dコンソーシアム会員の方々が、長らく3Dに携わってきた肥えた目で、世の中の3D映像をどんどん批評して、新しい語彙で見方や見所を教えて欲しい。

それが多くのクリエイターにフィードバックしていけば、それこそ本当に3Dの質の向上になっていくんじゃないかと思うし、聴衆の見方も変わってくるのではないかと思う。いい3Dを高く評価したいし、そもそも何がいいのか、もっとよく考えるべきだ。SONYはカルバーシティに制作者の勉強センターを作ったが、何がいいか。まだまだ研究が必要だ。

その情報交換のために、ソーシャル・メディアは実にうまく使えると思う。
僕もせっせと3Dを見て、せっせと批評を述べていきたい。

放射線量と3Dの視差量は似ている

放射線量と3Dの視差量は似ている。
どんな専門家も「これ以上にすると危険だ」というガイドライン数値を断言しない。
400mSvなのか250mSvなのか100mSvなのか30mSvなのか100Bqなのか。
1度なのか40分なのか2%なのかさらに奥行き方向は1%なのか。
健康被害を恐れ、だいぶ安全な値が暫定基準になる。
これにより、3Dコンテンツはつまらなくなるのではないかとも言われる。
一方、放射能の場合は心配しすぎて疎開やパニックや買い占めが起きたりする。

unware of background noise

夕方帰宅時、なんだか街は静かだった。人はいたけど、クルマが少なかったのか、ららぽーとがやってなかったからか、なぜだろう。
昔、留学していたときに英語講師から聞いたのだが、ロスでは9・11のあと(48時間くらいだったか)飛行機が運行をやめていたとき、とても静かだったという。ロスではおおむね海からの西風。飛行機は西からやってきてもダウンタウンくらいまで内陸に回り込んでからUターンして着陸する。離陸後はすぐに海上に出る。
僕はそれを聞いてから、飛行機の音が一日中聞こえていることにやっと気づいた。