東電福島第一原発事故調中間報告

東電福島第一原発事故調中間報告がありました。
畑村さん、柳田さんはテレビ出演も。

その報告から僕が読み解きたいのは、「原子力発電所という複雑なシステムが、現実的なコストで日本人にとって制御可能なのかどうか」ということ。

まず、「たくさんの人が被曝して、十万人以上が避難させられ、半永久的に帰れない地域もあるが、一人も死ななかったから、OK。」という視点があり得るが、仮にこれに対してはNoとする。

どんなに可能性が低くてもゼロではないならそれは起こる。想定範囲外のことが起きても何とかしなければならない。というが、これは原子力発電で通用するか。ものすごく可能性の低いこと(例えば隕石の直撃とか、飛行機の墜落と台風の直撃が同時に起こるとか。)が起きても、過酷事故にならないようにすることは可能か。

畑村さんの「事故が起きた今、それが重要であることは分かる。問題は、事故が起きる前に、それを考えることができたか。」

「与えられた責任というものを考えず、マニュアルに載っていることだけをこなすだけが仕事だと思い込んでいる。」これは現在の日本人の状況そのものだ。

津波で全電源が喪失しても、ICやRCIC,HPCIが動作し続ければ、メルトダウンは避けられたのだろうか。

柳田さんはNHKの番組で、「新しい10m超の津波予測に対して、数百億円の防潮堤を作るのではなく、配電盤だけでも津波から避けられるところに設置するなど、現実的なコストで『想定外』に対応することもできる。」と語った。