いなか

ワイ島にやってきた。めちゃくちゃ田舎だ。5つの火山から成る島だそうだが、平らな土地がなく、島の中心に向かってなだらかな斜面が続く。溶岩の粘性が少ないから余計なだらかなんだよね。そもそも建物があまりなく、ビルなんて海沿いのホテルをのぞくとほとんどないので、遠くまで見渡せる。不安になるほど田舎である。オアフ島の1/10くらいの人口しかないそうだ。こんなにでかいのにほんとかな。

久しぶりに見るアメリカのテレビに目が止まる。USCアメフトはがんばっている。しかし、ニュースはウェストバージニアでの炭鉱事故ばかりである。カトリーナに続き、CNNではアンダーソン・クーパーが現地に張り付いているらしい。同僚記者に「要点だけしゃべれよ」的な冷たい言い方が気に入らない。

各ニュース専門チャンネルの「立てこもり2画面、3画面」や番組と関係のないハラオビを懐かしい目で見る。(立てこもりの3画面目はまとめVTRである。)このニュース、実は今夜はじけた。まず一人の遺体が発見され、続いて12人生存との情報が流れたが、最終的に一人生存(しかし危篤)残りは死亡だった。朝のニュースショーはどこも「12人生存」の大見出しが踊る新聞をニュースキャスターが画面にさらしてはけなしている。

それにしても、日本のニュースだって取り上げる「インドネシア、ジャワ島中部で地滑り・200人生き埋めに」の影もない。炭鉱事故の犠牲者は12人死亡、1人危篤である。それどころか、他のニュースがいっさいない。ここアメリカこそ世界の田舎である。