隠される者

会社の先輩が親孝行で台湾へ。第一の目的は故宮博物院だったそうだ。ここで見るものと言えば「白菜」である。ほんとによくできてる。
そして台湾と言えば夜市。士林や華西街。でも匂いがきつくてだめだったらしい。数年前に僕が行ったとき、華西街でつくづく思ったのは、元気な老人。
やはりあっちの寺は南方の大乗系なわけで、現世ご利益を願って夜も賑わっている。夜市を外れて少し静かな、しかし真っ暗ではないところなので、デートスポットでもあるし、老人が語らっていたりもする。カップルにちょっかい出したりもする。だいたいかなり宵っ張りだ。夜市は1〜2時までやっているそうだ。
そういえば世界陸上ギリシアに行ったときも、宵っ張りな老人を街角によく見かけた。よく外に出て話している。なかなか微笑ましいもんだ。妻に先立たれたおじいちゃんが、精一杯おしゃれしてる未亡人を口説いたりしてるわけですよ。
日本では老いるとあまり外に出ない気がする。老体をさらしたくない気持ちがあるのか。病んだ者や障害者も元気に町を闊歩したりしない。乙武さんなんてあんなにすがすがしいのに。(ただ、あの高さはホント反則だと思うけど。それじゃもこみちだ。)
外国に行くとよく見かける気がする。アメリカでは足腰の弱った老人が、電動スクーターに乗って買い物をする。これ普通である。日本で売れないのは、狭くて邪魔だから。
そうつまり「迷惑をかけないように」とても努力するのが、美徳ですよね。僕たち。だから老いた者、病んだ者は隠蔽される。楢山節考
まあ日本とアメリカは同じ雰囲気ですよね。若さは大切で、老いることは失うこと。中国、韓国など儒教社会では老いることは豊かになることであり、尊敬されることなんでしょ? 昔は日本もそうだったんだろうけど。
それにしても台湾はお茶がおいしい。天仁銘茶の横浜中華街支店にまた行かなくちゃ。