デジカメ論

イカM8なんて出ていたんですね。今日フラッと本屋に寄って、初めて知りました。本を買わなくても、本屋と言うのは重要な情報源ですねぇ。

エプソンのRD-1ってシャッターをチャージするためにフィルム巻上げノブが付いているんですよね。これがなくなって寂しいというカメラマンばかりが、このM8の特集に寄稿、あるいは取材されていますが、当のライカ社の担当者は「デジタルだから、必要ありませんからね」とあまりにも当たり前な回答で笑いました。ノスタルジーではなく、レンジファインダーカメラを守って欲しいと思います。今は高価すぎる。とにかく、続き番号で銘打たれたということは、フィルムに戻ることはありません、という意志表示なんですね。

ところで最近、奥さん用だったSONYのU60防水デジカメが壊れて、新たにデジカメを買いました。ペンタックスの防水モデルとずいぶん迷ったけど、結局NikonのKoolPixにしました。このデジカメ生活は快適なのですがつまり、昔はフィルムで撮って、ネガ現像までは共通処理で、紙焼きの際に、色調整なんかしてたらしいのに、最近って、「デジカメは便利だ」が行き過ぎちゃって、とにかく10分で印刷してくれないと商売上がったり。だから色の調整なんかしないけど、お客はそこそこ満足なわけで、ここ最近はひどい色の紙焼きばかりたくさん見た。それがこの新しいKoolPixはきれいだ。聞けば顔を認識するのだという。羽生名人の将棋のように、大量の統計的撮影データからも色調整を施せる。おかげで顔認識モードにすると、ホワイトバランスとフォーカスをずーっと追っかけている音がする。電池は大丈夫か。要は色調整が、紙焼きのときに念入りにやるのではなく、撮った瞬間の電子的調整になったのだ。これで失敗してもプリンタがまた調整するらしいが。

要はもう、ライカとか言っている場合じゃないんじゃないかなぁと。今の現像環境に必要とされる機能が根本から違う。ライカ持ってても、RAWから現像して、出力屋さんに持って行くところまでできないと、カメラだけプロ用で、後はそこらのお店にお任せってんじゃ、雰囲気を感じ取ることすらできなくなっちゃったのだ。シャッター一押し入魂もいいが、数打ちゃ当たるもまた真なり。それでもこだわるには暇があって、じっくり研究するわけだ。一方アマチュアの数打った写真には撮影日付が記録されなきゃ、整理は無理だ。どう考えたって、アマチュアにフィルムと付き合っている時間はない。RAWで出したって、JPGを使われちゃう今日この頃。フィルムならカメラだけ豪華って言う楽しみ方があったけど、紙焼きで調整してくれてたそこらのお店が、デジタルは色合わせする暇がないんだから、これは素人にはまったく無理な機械になったのだ。

だから趣味の写真を撮るなら、フィルムがいいと思う。ホルガとかピンホールカメラとか、だから流行るのかな? 出せる店があるうちは。コシナレンダーの新しいベッサはちょっと魅力だぞ。